神奈川県立近代美術館葉山館で開催中の「ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ」。
画家、彫刻家、グラフィック・デザイナー、インダストリアル・デザイナー、発明家、著述家と、さまざまな顔をもつムナーリ。
ムナーリが子どもの造形教育に取り組み始めたのは70歳を過ぎてからなのだとか。
いろんな経験をすることで、自分の仕事の幅が広がり、できることも増えていく。いま自分がどうしたいのかを見失いつつあったので、背中を押された気持ちに。
私が面白いと思ったのは、人の無意識を利用した作品。
人の顔をきちんと描かずに人の顔を思わせる絵があり、人が無意識的に想像力を働かせてイメージする、という部分に、日常生活でこういうのはよくあるし、それを見つけるには生活の観察が欠かせない。
代表的な作品である「役に立たない機械」「読めない絵本」は、正直「それなんの意味あるの?」と思ってしまう。でも、だからこそ私たちの生活にはそういうちょっとした余白があってもいいんじゃないか、とも。会場には、彼の次の言葉が展示されていた。
当たり前の日常も、視点を変えるといろんなものがアートになる。それが、今回の展覧会のタイトルにもある「こどもの心をもちつづけること」にも通じている。
ブルーノ・ムナーリの回顧展は、秋には世田谷美術館でも開催。ただ、葉山の海を眺めながら作品を鑑賞できるのは、神奈川県立近代美術館ならでは。とても素敵なロケーションなので、小旅行としてもおすすめ!
ブルーノ・ムナーリ こどもの心をもちつづけるということ
会期 | 2018年4月7日〜6月10日 |
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会場 | 神奈川県立近代美術館葉山館 |
住所 | 神奈川県三浦郡葉山町一色2208-1 |
アクセス | JR横須賀線「逗子」駅前(3番のりば)から京浜急行バス「逗11、12系統(海岸回り)」に乗車し、「三ヶ丘・神奈川県立近代美術館前」で下車(所要時間約20分) |
電話番号 | 046-875-2800 |
開館時間 | 9時半〜17時(入館は16時半まで) |
休館日 | 月曜日 |
料金 | 一般=1200円、20歳未満・学生=1050円、65歳以上=600円、高校生=100円 |