東京国立博物館「運慶」展

仏師運慶は、平安時代末期から鎌倉時代にかけて活躍。まるで生きているかのような写実的で力強い作品が特徴で、彼が造った仏像は現存するもの、あるいはその可能性が高いとされるものは31体とされています。

今回の展覧会には、彼の作品では過去最多の22体が集まりました。また、運慶の父の康慶(こうけい)、息子の湛慶(たんけい)、康弁(こうべん)と、親子3代にわたる作品を展示。日本の彫刻史の一時代を築いた様子を辿ります。

会場内は照明が落とされ、仏像が空間内に引き立つように照明をあてています。一体一体を前にすると、心がすっと落ち着く感じ。

運慶の処女作は「大日如来坐像」なのですが、これが初めてなの!? と驚くほどの完成度の高さ。体の肉付きや衣のひだの様子など、一体どうしたらこんな風に表現できるのかと、正面、横、後ろと何度も見返してしまいました。

また、運慶のお父さんの康慶の「四天王立像」は圧巻。躍動感、威圧感にあふれ、いまにも動き出しそうでした。風をはらむ衣の様子なども表現されていて、ダイナミックながらも繊細さもあります。

今回初めて知ったのですが、目に水晶を入れて生き生きとした表情を生み出す「玉眼」という技法。運慶の「八大童子立像」は玉眼によって表情の微妙な動きを表現していました。舟越桂さんの彫刻作品も目を大理石を入れているけど、それはここからきていた技法だったのかなとも思いました。

面白いなと思ったのは、湛慶らの作品。康慶、運慶と比べるとサイズが小さく、筋肉やポーズの表現が控えめなんです。時代が求めていたものが違ったのか、第1会場で「ばーん!」とダイナミックな仏像に比べて、第2会場はとてもおとなしい印象でした。また、確証はないもののおそらく湛慶の作品とされているものに「神鹿」と「子犬」の彫刻も。こうした動物の作品は珍しいのだとか。すごく表情が愛らしくて、そばにいた小さな子どもも「かわいい〜」とお母さんと話していました。

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