三菱一号館美術館の「パリ・グラフィック」展は版画の柔らかな色合いと線に癒される

三菱一号館美術館

三菱一号館美術館で開催中の「パリ・グラフィックーロートレックとアートになった版画・ポスター展」を見てきました。

19世紀末のパリ、様々な芸術運動が勃興するなか、版画は新たな芸術表現を切り拓く重要なメディアとなりました。
それまで単に複製や情報伝達のための手段でしかなかった版画は、トゥールーズ=ロートレックや世紀末の前衛芸術家たちにより、絵画と同じく芸術の域まで高められ、それらを収集する愛好家も出現しました。一方、大衆文化とともに発展したポスター芸術をはじめ、かつてないほど多くの複製イメージが都市に溢れ、美術は人々の暮らしにまで浸透しました。
世紀末パリにおいて、「グラフィック・アート」はまさに生活と芸術の結節点であり、だからこそ前衛芸術家たちの最も実験的な精神が発揮された、時代を映すメディアであったと言えるでしょう。
本展は、こうした19世紀末パリにおける版画の多様な広がりを検証するものです。当館およびアムステルダム、ファン・ゴッホ美術館の貴重な19世紀末版画コレクションから、リトグラフ・ポスター等を中心に、油彩・挿絵本等を加えた計約170点を展覧します。

出典:公式サイト

入ってまず面白かった作品がウジェーヌ・グラッセの「版画とポスター」。なんと、版画とポスターを擬人化し、ポスターが娼婦っぽい女性、版画がちょっとかためな女性で描かれていたのです。擬人化って、何もアニメとかそういうぶんかだけじゃないんだなと思って、ふふっと笑ってしまいました。

展示は大きく2つのパートに分かれていて、第1章が「庶民向けの版画」、第2章が「知的階層向けの版画」でした。

庶民向けの版画のパートでは、キオスクで売られている挿絵入りの楽譜や雑誌など、街のいたるところに版画があふれ、街角は視覚的な劇場へと変容したのだとか。街にアート作品がある様子は、まるで今の日本のアートイベントのように感じました。楽譜の挿絵は思わず買ってしまうような魅力的にデザインされる必要がある、挿絵入りの楽譜は爆発的な人気を得たのだとか。このあたり、アートでどう生活するかにも通じるものがあるんじゃないかなと、作品を眺めながらぼんやりと思いました。

三菱一号館美術館

三菱一号館美術館

三菱一号館美術館

 

会場の一部は作品の撮影もできるので、気に入った作品を収めることができます。

知的階層向けの作品で特に印象に残ったのは、「室内の闇」のパート。エリート層のための版画は私的な領域で密やかに眺められるため、瞑想的、神秘的、官能的な主題を扱うのに最適だったそう。それまでは色彩豊かな作品だったのですが、芸術家は人間の暗部を探求する作品を生み出し、暗いテーマを描くのには色彩はほとんど使わず、石板や版木全体をインクで真っ黒に。そこにかすかな光が現れるように表面を掻きおとしたり、彫り込んだりして、黄昏を思わせる世界を作り出し、「光の都市」と称されたパリのにぎやかな街頭の生活と対照をなしていたという世界観に引き込まれました。

全体的に絵画とは異なり、版画の柔らかな色合いや線に、見ていてほっと癒される感じがしました。

ちなみに、毎月第2水曜は「アフター5 女子割」で女性は17時以降は入館料が一律1000円です! 会期中は次は12/13なので、女性で気になっている方はそこを狙うのもアリかも?

会期2017年10月18日〜2018年1月8日
会場三菱一号館美術館
住所東京都千代田区丸の内2-6-2
アクセスJR「東京」駅(丸の内南口)徒歩5分、JR「有楽町」駅(国際フォーラム口)徒歩6分、東京メトロ千代田線「二重橋前」駅(1番出口)徒歩3分、東京メトロ有楽町線「有楽町」駅(D3/D5出口)徒歩6分、都営三田線「日比谷」駅(B7出口)徒歩3分、東京メトロ丸の内線「東京」駅(改札口・地下道直結)徒歩6分
電話番号03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間10:00~18:00(祝日を除く金曜、11月8日、12月13日、1月4日、1月5日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで
休館日月曜休館(但し、1月8日と、「トークフリーデー」の10月30日(月)、11月27日(月)、12月25日(月)は開館)年末年始休館:2017年12月29日~2018年1月1日
料金一般=1700円、高校・大学生=1000円、小・中学生=500円、第2水曜17時以降/当日券・一般(女性のみ) 1,000円
こう

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