クリムトが描いた1枚の肖像画をめぐるドラマ『黄金のアデーレ 名画の帰還』

黄金のアデーレ
写真は公式サイトのスクリーンショットです。

「黄金のアデーレ」、正式名称は「アデーレ・ブロッホ=バウアーの肖像1」。「接吻」などの作品で知られる画家、グスタフ・クリムトの傑作といわれる作品の一つです。

20世紀が終わる頃、ある裁判のニュースが世界を仰天させた。アメリカに暮らすマリア・アルトマン(82歳)が、オーストリア政府を訴えたのだ。
“オーストリアのモナリザ”と称えられ、国の美術館に飾られてきたクリムトの名画〈黄金のアデーレ〉を、「私に返してほしい」という驚きの要求だった。伯母・アデーレの肖像画は、第二次世界大戦中、ナチスに略奪されたもので、正当な持ち主である自分のもとに返して欲しいというのが、彼女の主張だった。共に立ち上がったのは、駆け出し弁護士のランディ。対するオーストリア政府は、真っ向から反論。
大切なものすべてを奪われ、祖国を捨てたマリアが、クリムトの名画よりも本当に取り戻したかったものとは──?

出典:「黄金のアデーレ 名画の帰還」公式サイト

作品名を変えられ、オーストリアの美術館で展示されている1枚の肖像画。描かれているのは、アデーレという一人の女性です。

美しい絵の裏には、第二次世界大戦やナチス、ユダヤ人と、悲しい過去が秘められていたことをこの映画で初めて知りました。

主人公のマリアが絵を取り返すまでのオーストリア政府とのやりとりなどは、彼女の過去の戦争体験なども描かれ、胸が締め付けられる。最後、マリアの手に愛する叔母が描かれた絵が戻ってきますが、その瞬間はまさに歴史的瞬間。

とはいえ、ナチスが戦争中に不当に奪い取った美術品や家財道具などは、未だに持ち主の手に返されていないものも多いそう……。

有名な名画も、元は個人のもの。そうした事実にも改めて気づかされました。

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