無駄を削ぎ落としながら大切なことを伝えるバランス感覚「シンプルの正体」

ディック・ブルーナはミッフィーに代表される絵本作家としての印象が強いけど、グラフィックデザイナーとしても活躍。

「シンプルの正体」では、200冊を超えるペーパーバックや、約40点のデザイン原画やスケッチ、絵本原画やポスターの複製など、約500点を展示しているのだとか。

シンプルの正体

彼の作品に共通するのは、「シンプル」であること。極限まで無駄をそぎ落としながらも大切なメッセージはしっかりと伝えるという、そのバランス感覚が秀逸。

ペーパーバックのデザインで意識されていたのは、「通勤や通学、旅の途中に買ってもらえるよう一目で内容のイメージを喚起させる」こと。何かを伝えようとする際、どうしてもいろんな情報を盛り込みたくなるけど、それだと結局は何を伝えたいのかがわからなくなってしまうことは多い。

しかも、現在のように情報がありふれていたら、以下にぱっと目を引いてそれが何であるのかがわかることが欠かせない……。

そして、ミッフィーの絵本では、シンプルであるがゆえに、想像の余白を残していることに、創作者の意向を押し付けない柔軟性がある。さらに、シンプルな絵だからこそ、線の引き方や色の組み合わせ、余白の使い方が緻密に計算されていて……。今だからこそわかる発見には心が踊る。

「死」をテーマにした「ブラック・ベア」の未発表作品も展示されていて、こちらはストーリーにうるっときました。

シンプルの正体

撮影可能スペースでは、グラフィックやプロダクト、ファッションの領域で活躍する方たちの体現する「シンプル」なデザインの作品を展示していました。

松屋銀座で、会期は5/8(月)までです。

bruna-design.jp

久しぶりに図版も買いました。

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